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生命保険の基礎を学ぶ!生命保険の基礎知識から、比較や見直しまで。

生命保険の悪用(その2)

古今東西を問わず、お金というのは人を狂わせてしまうもの。

 

そのため、保険金詐取や保険金殺人など、多額の保険金を目的とした生命保険の悪用(犯罪)というものは、今なお絶えることがありませんが、業界としても、ただそれを何もせず看過している訳では決してありません。

 

すなわち、不当な利益を得る目的で生命保険が利用されることを未然に防ぎ、健全な制度として運営されるよう、様々な取り組みが考えられ、実施されているのです。

 

生命保険協会が中心になって行われている、契約内容の登録制度、及びその照会制度などは、その最たる取り組みの一つに数えられるかと思います。

 

これは、生命保険会社に保険の契約申込みがあった際、その内容を登録しておくことで、新たな契約申し込みを受けた際の引受けや、保険金や給付金の請求を受けた際の支払いにおいて、その可否を判断する際の参考にするというものです。

 

すなわち、端的に言えば、犯罪の予兆がありそうな契約や、悪用されるケースが多いタイプの契約については、予め事前に照会しそれを把握することで、場合によっては生命保険会社が契約を拒否するといった判断もあり得るという訳です。

 

また、保険金や給付金の請求があった場合には、つまり支払査定時においては、生命保険協会を通じて他の生命保険会社の保険契約に関する情報について提供を受けることで、保険金や給付金の支払い可否を判断したり、場合によっては契約を解除したり無効にしたりする参考にすることもあります。

 

いずれにせよ、生命保険協会が媒介となって各生命保険会社が相互に協力し合うことで、業界全体で悪用(犯罪)を未然に防ぐことが出来るよう、一丸となって取り組んでいるのです。

 

法の穴や盲点をかいくぐる知能犯というのはいつの時代にも存在し、犯罪とその対策というものはいたちごっこの側面があるため、生命保険を悪用した犯罪についても、それを全くのゼロにすることは到底難しいのかもしれません。

 

しかしながら、こういった取り組みにより、大いにそれが減少しているであろうことは、一つ間違いのない事実なのです。